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    白馬岳テント山行:ボッカと高所順応訓練

    2016-07-31

    所属山岳会で8月下旬の北岳バットレス・クライミングを自分がリーダーで企画した。しかし、自分自身の能力で心配事がいっぱいだ。心配事その1:本番でのアルパインの経験が少ない。心配事その2:ここのところ重い荷物を担いで長時間の登山はしていないくてボッカが心配。心配事その3:先々週の西穂高山荘と先週の谷川岳ロープウェイ駐車場では高所のせいなのか大して気温は低くもないのに寒気をかなり感じてしまった。(これはアルコールのせいかもしれない)。

    心配事その1は、数をこなすしかないが、このアルパイン山行では天候不良や体調不良、他のアルパイン山行の日程調整ができないなどでなかなか経験値を上げることができない。これからは、あまりまとまった時間はとれないので、暇をみつけてはゲレンデで練習に励むしかなさそうだ。

    心配事その2とその3については、白馬岳でテント泊することで、25kg程度のザックを担いで標高差1500mを難なく歩くことができるか、気温10℃前後の高所のテント場で寒さを感じずに寝ることができるかを確認することにした。

    7月30日

    7:30に猿倉の駐車場に到着する。土曜のこの時間帯では一番の上の駐車場に車を停めるのは難しいかと思っていたが、比較的空いており、停めることができた。

    8:00に猿倉山荘の登山口に登山届を出して出発だ。

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    久しぶりの25kgのザックはとてつもなく重く感じる。『荷物が重い。。。』という気持ちでいっぱいになりながら、一歩一歩足を前に出していく。だんだんと重さになれてきたが、途中でばてるのを懸念して、いつもよりゆっくりめに歩いていく。

    9:00に白馬尻山荘に到着した。重荷の割にコースタイムどおりの1時間なのでまずまずのペースだが、疲労度合としては3時間程度登ったくらいの疲れ具合だ。普段は2-3時間ごとに数分休憩をとる程度だが、1時間ごとに数分の休憩を余儀なくされそうだ。

    20分ほど樹林帯の中を登ると、大雪渓の末端に到着し、アイゼンを装着して登り始める。ガスが立ち込め視界がきかない中、ときおり左側の杓子尾根からガラガラと石が崩れる音が聞こえる。落石に気づかなず直撃されるんではないかと不安だ。

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    10:40 大雪渓の上部末端では、いつもならもっと上部で安定した場所から葱平の岩場に移るのだが、かなり下に後退しており、浮石だらけの岩場から葱平に上がり、アイゼンをはずす。

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    ここからは標高が上がるつれて高山植物の花が多く咲いている。花にはそれほど興味はなく名前もうろ覚えだが、白・黄・紫の様々な色の可憐な花はザックの重さを忘れさせてくれる。DSCF1123_800

    そのうち雨が降り始め、あっというまに大雨となった。レインウェアを着込み、大岩の下に潜りんで、しばし雨宿りだ。10分ほどすると小雨になってきたので歩き始めるが、レインウェアのせいで蒸し風呂状態になってきた。数十分登ったところで再び大雨が降り出した。また、大岩を見つけてはその下で10分ほど雨宿りだ。

    雨が小降りになってきたので、再び出発する。雨と重荷のせいでペースはかなり落ちてきた。

    13:30 白馬村営頂上宿舎に到着し、テント場に行くと、50張程度張られていて、もうすでに条件のいい平坦地は埋まってしまっている。奥のほうに進み何とかスペースを確保した。雨の中、何とかテントを張り、荷物をテントに入れる。

    テント設営後、白馬岳に登る予定だったが、この雨ではしかたがない。テントの中でお湯を沸かしてコーヒータイムとする。しばらくゴロゴロしていると15:30ころやっと雨が止み日が少し差し出した。濡れたものを乾かすチャンスとばかり、周囲の岩などに濡れたウェアやザックなどを広げる。1時間ほどでほとんどのものは乾き太陽のありがたみを感じていたら、また雨が降り出した。乾いた荷物を慌ててテントにほおりこむ。

    18時前になり、そろそろ日没も近いので夕飯準備だ。本日のメニューは、アルファ米では味気ないので生米から炊いたご飯、高級牛ロースの焼肉、野菜たっぷりの味噌汁である。おいしい食事をしたいがために、調理器具・食料でそこそこの重さにはなってしまったが、いいボッカ訓練になっている。

    食事を終えるとすっかり暗くなり、20時ころには周囲のテントは寝静まり始めたので、私も寝ることにした。今回は薄くて暖かい肌着は何だ?ということで、試しにユニクロのヒートテックのシャツとタイツを持ってきたので着用してみた。ヒートテックは汗をかいて濡れると冷えてしまい、行動着としては適さないものの、休憩している状態ではすこぶる暖かい。山ではヒートテックは使い物にならないと思っていたが、休憩時の肌着としては有用だ。夏用の薄手のダウンシュラフを持ってきたのでとりあえず入って寝たが、肌着にヒートテックを着ていれば薄手のダウンジャケットとダウンパンツとシュラフカバーで十分である。

    7月31日

    2時ころトイレに行きたくて目を覚まし外に出てみると、ガスはすっかりとれ晴れ渡っている。大気が少し霞がかっているので、満天の星というほどではないが、そこそこ星も天の川も見える。気温も10℃前後だろうけど寒さを感じない。タンパク質を摂ると、その消化のために腸がよく動き、その熱で体が温まるという。夕飯で大量の焼肉を食べたせいかもしれない。アルコールを飲むと、酔っている間は体が温まっているが、血流がよくなりすぎて放熱しすぎて、酔いがさめたときに急激に体が冷えてしまう。今日は冷えの原因となるアルコールを飲んでいないこともあるかもしれない。軽い高山病の兆候だろうか、わずかながら頭痛がするので、鎮痛剤を飲み再び眠る。

    4時を過ぎるとうっすら明るくなり、周囲のテントも起きだしてきた。昨日のうちに白馬岳に登頂していれば、今日は杓子・鑓方面に行く予定だったが、昨日の雨のために予定を変更し、今日は白馬岳に登頂後、テントを撤収し、下山することにした。頭痛もとれ食欲もあるので、朝飯には昨日炊いた白米でチーズリゾットを作って食べる。

    5:00に必要最小限の荷物で白馬岳を目指してテント場を出発。

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    短時間のうちにガスがでたり無くなったりで、視界も遮られたり開けたりクルクル変わる。途中でガスがとれ素晴らしい光景が開ける。

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    5:40 白馬岳に到着。

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    無雪期の白馬岳は4回目だし、ボッカと高所訓練が主目的なので、登頂したこと自体にさほど喜びはないが、このところ山の中で体調不良を感じることがしばしばあったが、今回は好調だったので、無事に登頂できたという点では喜ばしいことだ。

    白馬岳を下り、テント場に戻ると半分以上のテントは撤収されていた。昨晩の雨でテントなどがかなり濡れていたので、干すことにした。1時間ほど干しているとすっかり乾いたので畳んでザックにおさまめ、8:00に下山開始である。

    普段はバランスが悪くなるのでストックは使わないのだが、25kgという重さでは不安定であるので、ストックを使って下っていく。葱平の岩場はスリップしないように気を使うが、花々が咲き乱れていて、気持ちが休まる。

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    大雪渓の末端よりアイゼンを履いて下っていく。大雪渓に来るとほとんど走っているくらいのペースでストックをつきながら下っていく。あっという間に大雪渓を下り終え、アイゼンをはずし、白馬尻に向かう。すると急に雲が濃くなりだし、あっという間に土砂降りになってきた。慌ててレインウェアを着込む。せっかく朝一番で乾かしたのに残念だ。

    白馬尻を過ぎ、猿倉に着くまで、雨は降り続く。12:00に猿倉の駐車場に着きザックを降ろしてレインウェアを脱ぐと上半身は中まで濡れているし、背中から伝った雨水がザックの中まで浸水し、ザックの一番底にいれていたテントもビショビショである。乾いたタオルで体を拭き、着替えて帰途についた。

    散々雨に降られたのが少々辛かったが、25kgのボッカと2700mあたりでの耐寒・高所順応は大きな問題はなかったので、北岳クライミングに対する不安材料の一部は解消された。年齢とともに登山に必要な能力が低下していくのかと不安であったが、若いころやっていたことは体は覚えていて、きついことを一回やれば復活するものだ。

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    谷川岳:鎮魂の谷めぐり

    2016-07-24

    所属山岳会4名で7月24日に谷川岳一ノ倉沢4ルンゼをクライミングすることになった。12時間程度の長丁場になるので、24日4:30から出発するため、前日23日夜から谷川岳ロープウェイの駐車場に泊まり込み、早朝未明に出発である。

    飯山道の駅に21時に集合し、23時にロープウェイの駐車場に到着した。駐車場は屋内駐車場で夜間は開放されており、車はポツポツ停まっている程度だ。最初は屋外でテントの予定だったが、ここであれば車の横で雑魚寝で十分だ。少々の酒盛りを行い、シュラフにくるまって眠る。

    最初のうちはアルコールが回って気持ちよかったが、1時間ほどたつと急激に寒気を感じてきた。気温14-5℃程度くらいだろうか。その程度あればシュラフで十分暖かいはずなのだが、いやに寒く感じる。下戸の私は、アルコールを飲むと、血行がよくなりすぎるのとともに熱を放出しすぎて、体を冷やしてしまったようだ。

    寒気を感じよく眠れないまま、起床時間の未明3:30を迎えると、寒気はするし頭痛とともに吐き気もする。何とか起きてお湯を沸かして朝食を食べようとするが、食欲どころか吐き気がして全く食べることができない。10分ほどウロウロして体を暖めるが、頭痛と吐き気は治まらない。『歩いているうちに治りそうだが、食べていないのでシャリバテになるのは間違いない。これでは12時間行動は無理』と判断し、リーダーのMさんに『体調不良で居残ることにしたい』と申し出る。

    4:30に3人が出発したのち、私は車の助手席を倒し、休息することにした。3時間ほど頭痛と吐き気で辛かったが、徐々に回復してて、8:30ころにやっと食欲がでてきたので、朝食を食べることができた。9:00にやっと歩き回れるようになって、外の様子を見てみると、上空は雲の合間からときおり太陽は顔を出しているのだが、谷川岳の稜線はガスに覆われている。せっかくここまで来たので、クライミングのメッカである主要な3つの谷と岩壁を偵察がてら、ハイキングして見物することにした。

    9:30に準備を整えロープウェイ駅兼駐車場を出発である。

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    舗装道路を少し登ると緩やかになる。少々頭痛はするが耐えられないほどではない。稜線はガスで覆われているため、同様の目的のハイカーも結構多い。

    西黒尾根を回り込み、最初の大きな谷のマチガ沢に到着する。事前に調べていないので有名なルートである東南稜がよく分からない。

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    マチガ沢を進み東尾根を回り込むと、一ノ倉沢の手前には避難小屋がある。中に入ってみるとジメジメしてひんやりしており、夏で雨が降っていなけれは、間違いなく外でテントのほうが快適そうだ。

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    少し先に進むと、大きな一ノ倉沢が現れる。

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    その圧倒的な大きさに後ろから来た数人のハイカーは「おおーっ」と声をあげていた。ルートを説明した大きな案内板があり、取付きであるテールリッジや有名な鳥帽子沢奥壁南稜も間近に見え、登攀意欲がふつふつと湧き上がってきて、朝の体調の悪さが本当に悔やまれてくる。

    沢を渡り、沢の右側の岩稜帯には無数の慰霊プレートが埋め込まれている。「xx xx(姓名)19歳 一ノ倉沢xxルートに眠る」「xx xx(姓名)21歳 安らかに~」という悲しい墓碑銘が刻まれている。登りたいという気持ち、見極めを越えた自然の猛威、その狭間の中で多くの若者がここで命を絶たれてしまった。それを見た途端、安易にとりついてはいけない場所であり、今日は体調不良で行かなかったのは正解であった、と思わずにいられない。

    さらに奥に進み、また一ノ倉尾根を回り込むと、次の大きな谷は、幽ノ沢である。中央壁正面フェースが魅力的だ。稜線には終始ガスが覆いかぶさり、魔の山という雰囲気を漂わせるが、クライミングを少しかじったものにとっては、目の前に大きな岩壁についてうい引き込まれてしまう。

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    最後の谷をあとにして、沢を少し越えた先には冷たい湧き水が湧いている。『ブナのしずく』。なかなかいい名前だ。

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    この先を20分進むと林道に縄張りがあり、その右手に湯檜曽川沿いの新道へと下る登山道が現れる。「沢の橋が流され、沢では道が荒れているので、新道へ極力行くのは避けてください」と案内看板もある。「極力」っていったい何だ?「大雨に場合」「初心者の場合」とか条件を明確にしてほしいところだ。

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    きっと両方の意味なのであろうから、天候も安定しているし初心者でもないし、沢を渡れない場合に今来た道に戻る登山道を確認し、この登山道を下って行った。10分ほど下ると立派な巡視小屋が現れる。

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    新道は湯檜曽川沿いの緩やかな平坦な道だ。正午に近づき太陽のもとでは暑いが、樹林におおわれた新道は涼しく快適に歩いて行ける。沢では確かに橋が流されていたが、ほとんど水のない沢で増水時でなければ、全く危険性はなかった。ヤブの切れ目から湯檜曽川に降り立つと川の流れが涼し気である。

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    1時間ほど歩き新道も終わるあたりで、西黒沢の5mの小さな滝が現れて水しぶきを含んだ風が吹き、暑さを吹き飛ばしてくれる。

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    13:00ころにロープウェイの駐車場に戻ると、蒸し暑さのせいか、また頭痛がしだしたので、鎮痛剤を飲み、車のシートに横たわり3人の帰りを待つことにした。

    結局、3人が帰ってきたのは暗くなり始めた18:30ころだ。みんな疲れ果てているが充実したクライミングだったようだ。そこから、日帰り温泉の定番「湯テルメ谷川」に立ち寄り、帰途についた。

    多くのクライマーの命を飲み込んでいった谷川岳だが、それ以上に多くのクライマーは無事に登り切り、楽しさと充実感を与えてくれている。今回は体調不良で登れなかったが、機会を作って再度訪れて、登ってみたいものだ。

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    西穂高岳

    2016-07-18

    所属山岳会の夏合宿で北岳バットレスでのクライミングを8月末に計画しているのだが、その練習として、MさんFさんの3人で北アルプス錫杖岳にクライミングしに行くこととなった。予定では7/17早朝に長野を出発し、新穂高温泉から歩いて昼頃に錫杖沢に到着して幕営し、7/18早朝より錫杖岳でクライミングする予定である。しかし、数日前からの天気予報は、雨・曇り・晴れがコロコロ変わり、全くあてにならない。

    7月17日

    7:30に3名が長野市内に集まり、天気予報をみてもはっきりしないので、とりあえず新穂高温泉まで行くことにした。時間が経つにつれて徐々に天気が悪くなり、10:30に新穂高温泉に着いたころにはそこそこの雨が降り出した。この雨では錫杖岳の岩は濡れて乾きそうもないので、3名で相談した結果、高所順応と岩場トレーニングを兼ねて西穂高岳に行先を変更することにした。西穂山荘で幕営し、翌7/18に西穂高岳までピストンという予定だ。

    車を新穂高ロープウェイの白樺平駅駐車場に停めた12:30ころには、雨はとりあえず止んでしまった。ロープウェイに乗っていくが、雲はどんよりとたちこめ、晴れそうな気配はない。西穂高口駅に到着し、出発しようとしたところ、再び雨が降り出した。正直言って雨の登山は大嫌いである。ここまで来てしまった以上行くしかないので、レインウェアを着込んで出発する。

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    2000mを越えているのでそこそこ気温は低いのだが、それ以上に登りで体温が上昇し、汗が噴き出てレインウェアの中は蒸し風呂状態だ。1時間ほど歩いて13:00に幕営地の西穂山荘に着いたが、かなり疲弊してしまった。

    周囲はガスで真っ白な中、テントを設営したあと、やることもないので、テントの中で飲み会である。

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    テントの中で飲みながら、会の話、山の話で盛り上がる。

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    だんだんと気温が下がってくる中、Fさんは寒くなり体調があまりよくなさそうなので、小屋の売店兼自炊室のが暖かいのでイスに座りテレビを見ながら体を暖める。私は日ごろ飲まないが少しばかり飲んだので、暖かさもあいまってウトウトしてしまう。

    日も落ちて、そろそろ眠くなってきたので、テントに戻ってシュラフカバーに入り就寝しはじめる。しかし、1時間ほどウトウトしたところで、あまりの寒さで目が覚めてしまった。気温は10℃以下になっているのだろう。もともと1500mの南面でビバーク予定だったこともあり、あまり防寒対策は用意してこなかった。上はダウンを着ていて暖かいのだが、下はズボン一枚で下半身が冷えてしまって、眠りにつけない。レインウェアのズボンをはいたり、ザックに足を突っ込んだり、いろいろしたが上から降りてくる冷気は防げない。ほとんど眠れないまま朝を迎えた。

    7月18日

    夜明け時には寝不足と寒さで体調はよくなかったが、とりあえずお湯を沸かし暖かい食事をとったところ、少し体調が回復してきた。Fさんも寒さであまり眠れなかったようだ。ベテランMさんはさずが「特に寒くなかったよ」と平気のようだった。

    天気は昨日とは一転し、上空の雲はなくなり、すっかり晴れ渡っている。体調が悪いうえに天気が悪ければ登山のモチベーションは下がりまくるのだが、ここまで好天になると俄然行く気が沸いてくる。

    濡れたテントを撤収し、小屋の荷物の置き棚にテントを置いて、6:15に小屋を出発する。

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    ハイマツが生える登山道を進んでいくと、徐々に道は岩稜帯となっていく。1時間ほど歩き西穂独標には7:15に到着する。ここまでは「少し険しい登山道」でそれほど危険はない。西穂独標で5分ほど休む。

    通常の登山地図では危険な登山道は破線で記載されいてるが、ここから西穂高岳は破線である。さらにこの先にはジャンダルム~奥穂高まで続いている。

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    このルートは「日本最難関の登山道」という意味がよく分からない称号が某山岳雑誌より与えられ、おまけにその雑誌ではしばしば単独行を美化するような特集が多く、その雑誌の特集そのままのウェアに身を包んだ単独登山者が多く目についた。

    寝不足と寒さの影響で、岩を触っても手になじまないし、足を岩においても違和感があり、危険個所ではいつもどおりに体が動かず、緊張してしまい、動きがぎこちなくなってしまう。しかし、ピラミッドピークあたりまで来ると、徐々に眠気もなくなり手足が岩になじんできて、『岩登り、楽しー!』という状態になってきた。

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    小さなピークをいくつか越し、西穂高岳直下の急な岩壁に到着して私たちが登り始めると、上部で数人の若者が下ってきた。彼らはルートである固い急な岩場を避け、比較的ゆるい脆い浮石だらけのザレ場に入り込んできた。すると、わたしたちの10mほど上から、こぶし3個分くらいある石を彼らの一人が誤って落としてしまい、私の50cmくらい隣をかすめていった。これ以上石を落とされたら堪らないので、「そこは浮石だらけで危ないぞー!戻って!戻って!」と大声で注意して、登りを続行した。彼らの待っている場所に到着すると、確かに浮石のザレ場のほうが安心して下れるように見えてしまう場所であった。

    そこから20mほど登ると、西穂高岳山頂である。独標からは1時間弱かかり8:12に到着した。

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    今日は晴れ渡り360度の展望が開け、北アルプスの素晴らしパノラマが展開されている。稜線の先には奥穂高、その隣には前穂高、奥穂の先には槍の穂先がそびえ、さらにその奥には剱岳が顔をだしている。展開される山々が気になり、地図をみながら山座同定をしながら、ゆっくりと休憩する。

    来た道をまた戻るときには岩場にすっかり体が慣れて恐怖感はほとんどなく下っていくと、今日は天気がいいため多くの日帰り登山者が登ってくる。西穂山荘とロープウェイ駅間の登りでは、スニーカーの軽装の観光客や子供連れの家族も多く登ってきていた。

    11:45のロープウェイに乗り込み、観光客と混じって下山をする。

    下山し駐車場まで戻ると、日差しが強く気温も高く、数時間前までの涼しさが嘘のようである。帰りの道すがら登る予定であった錫杖岳の前衛フェースを間近に眺めることができた。この暑さでは結果的に 登らなくてよかったかもしれない。しかし、要塞のような岩壁は登攀意欲を掻き立てるには十分で、「涼しくなったら登りに来るぞ!」と決意も新たにさせられる。

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    昨日からの汗を流すため、新穂高温泉の「槍見館」の露店風呂に入る。湯温はかなり熱くゆっくり入っていられないので、岩の上に逃げるが、岩も強烈な日差しで熱したフライパン状態になっている。そこで、お湯を岩にかけて、何とか座れる温度まで下がってきた。その上で川の音を聞き、遠くの槍の穂先を眺め、ときおり吹く風に体を冷ましたり、ときどきお湯をかけて、露天風呂を楽しんだ。

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    雨で余儀なく予定を変更し、高所順応と岩場トレーニングを兼ねて西穂高岳登山となったが、予想外の好天に恵まれて充実した登山となった。夜の寒さで眠れないと翌日の体調に大きく影響するため、北岳バットレスでは夜の保温対策を軽量化を考えながら準備する必要があるというのが今回の教訓であった。

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    長野県立歴史館見学から、なぜか登山

    2016-07-16

    千曲市にある長野県立歴史館で「夢をのせた信州の鉄道 −失われた鉄路の軌跡−」という企画展が7月9日から始まっている。息子が少しばかり鉄道が好きなのと私が少々廃墟ファンでもあるので、見学に行ってみることにした。

    開館の9:00に合わせて到着。地味な企画展なので混むはずもなく、開館と同時に入ったのは、私たちと初老の男性のみであった。大人は500円、高校生以下は無料である。

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    昭和初期あたりからの長野の鉄道についての展示物は、写真や模型や当時の鉄道網や観光のパンフレット類だ。興味が無い人には全く目にも止まらないのだろうが、特に鉄道好きではない私も息子と一緒に展示に見入ってしまう。あまりにも夢中になって写真を撮り忘れてしまった。

    1時間ほど企画展を見たあとは、常設展に向かう。ここは原始から近現代の歴史的な資料が展示されている。等身大のナウマンゾウに始まり、土器、竪穴式住居、武具などほとんどは複製品ではあるが、細部までしっかり作りこまれている。

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    日本史も少々好きな私はゆっくり見たかったが、息子はあまり興味がなさそうなので、20分ほどで見終える。

    この歴史館の裏手の山の中腹には森将軍塚古墳がある。息子は行ったことがあるのだが、私は行ったことがないし10:30とお昼には早いので登ってみることにした。登り口の看板を見ると、森将軍塚古墳のさらに北側に有明山将軍塚古墳というのもあるらしいので、そちらにも足を延ばしてみることにした。

    登り口には竪穴式住居のムラを再現している。煙がでているので何かと思い中を覗いてみると、木をくべて煙でいぶしているようだ。煙でいぶすことで防虫や防水の効果があるのだろう。

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    有明山将軍塚古墳へは舗装道路を離れ山道を入っていく。靴はクロッグスだったため、石や土が入ってきて、とても歩きにくい。というか、良い子は山道をクロッグスで歩いてはいけません。高校生の息子は若さにまかせて後ろからグイグイ登ってくるので、面目を保つため私もヒーヒー言いながらも登っていく。

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    麓から15分ほどで有明山将軍塚古墳に到着である。

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    人の手が入って整備されているので何か人工的な雰囲気があるのだが、看板がなければ古墳とは分からない。

    ふと後ろをみると「←有明山 1km」という道標がある。どういう山だか知らないが、ここまで来たので、頂上を目指してみることにした。

    どんどん急坂になり、クロッグスでも登れることは登れるが、下りが少々不安だ。

    古墳から15分ほどで有明山頂上に着いたが、周囲は木々に覆われ全く展望はない。麓からは標高差300mだ。クロッグスでも30分で来れてなかなかいいペースだ。

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    さきほど登ってきた急坂を下っていくが、滑ると足の爪先を痛めそうなので、慎重に下っていく。

    10分ほどで森将軍塚古墳に到着する。

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    ちなみに、森将軍という将軍が存在したわけではなく、「森」は地名であり、土地の偉い人を「将軍様」と呼ぶ習慣があったとのことで、実際は誰が埋葬されていたのかは不明らしい。

    古墳の上に登って眼下の街を眺めてみる。かつても眼下のムラを眺めながら宗教的儀式や政(まつりごと)が行われていたのだろうか。少しだけ将軍様の気分。

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    古墳の上を散策したのち、10分ほどで麓に到着した。

    午前の数時間ではあるが、長野の歴史に触れながら登山も楽しめた。善光寺平の周辺には戦国時代の山城跡が多く残っている。自然や景色を楽しむだけではなく、歴史に触れながらの登山もなかなか面白いものだ。

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    群馬裏妙義・入山川裏谷急沢

    2016-07-03

    1ヶ月ほど前までは気温が低くて、とても沢登りに行く気にならなかったが、この数週間で気温が上がり、沢登りのシーズン到来となった。シーズン始めの手頃な沢がないか物色していると、長野市からアクセスがよく、柱状節理の滝とナメ床が発達しているという裏妙義の裏谷急沢(うらやきゅうさわ)が目に留まった。高巻きや下山路が危険そうなので、ある程度ロープワークを身につけている所属山岳会のアスターク同人のMさんと山友Tさんと3人で行くことになった。

    5:30に長野IC近くのコンビニで待ち合わせし、3人で同乗し高速に乗る。碓氷軽井沢ICを降り10分ほど走ると、7:00に入渓点に到着する。分かりにくい入渓点だが、グーグルのストリートビューで周辺の様子を事前に把握していたので、あまり迷わずに特定し、近くの道路脇の草むらに車を停める。

    7:30 入渓点のガードレールの切れ目から一旦入山川に降り立ち、渡渉し対岸に渡る。

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    対岸の谷に入るとすぐに4mの滝が現れる。その後も小滝やナメが続くが、木が覆いかぶさり落ち葉だらけでパッとしない感じの上、曇りで薄暗いため、ジメッとしており明るい雰囲気ではない。

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    7:45 大きな16m三段滝は、一段目を登ろうとしたが、手がかりが少なく危険そうなので、高巻きすることにした。落ち葉が深い斜面の上にときどき見える岩は浮石が多く、木をつかみながらの高巻きとなる。当初は二段目に降り立つつもりだったが、斜面が急で横切ることができず、どんどん高巻いてしまい、どうやら三段滝全てを高巻いてしまったようだ。

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    8:30 沢床に降り立ち、大高巻きで少々疲れたので休憩。

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    そこからは柱状節理の小滝とナメ床が続く。日差しがでてきて明るくなってきたし、水も適度な温度で、小滝で水を浴びながら登っていくのは実に爽快だ。

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    9:15 気持ちよく高度を上げていくと、裏谷急沢名物、柱状節理の20mの大滝だ。両サイドの尾根も柱状節理となっており、ヒダのあるカーテンに囲まれた大きなコンサートホールにいるような気分になる。

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    この大滝を巻いていくと、急なナメ床が数100mにわたり続いている。両サイドが落ち葉で覆いつくされ、水流のところだけ廊下のように空いている。変に水流を避けてしまうと、落ち葉とヌメリで滑りやすいので、水流の中を通っていく。

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    9:50 急なナメ床にそろそろ飽きてきたころに、沢の最後の滝である4m滝が現れる。見かけは登れそうだったが、近づいてみると逆層だし、万が一落ちた場合、急なナメ床をころげ落ちていく可能性が高いので、高巻くことにした。

    高巻いた斜面は落ち葉と浮石でグズグズになっており、慎重に登っていくが、Tさんが浮石に乗ってしまい、ズルズルと滑落してしまった。幸い7mくらいの滑落で止まり、少し痛がっているものの大事には至らなかったようだ。また滑落するといけないので、ザックからロープを出して立ち木にかけ懸垂下降し、Tさんのもとまでロープをおろし、それを手がかりにして登ってもらった。

    10:15 4mの滝を登ると、沢は三俣に分かれる。真ん中の沢が頂上である谷急山直下の沢だ。頂上直下が立ち上がりすぎて急なナメ床を詰めるのが難しくなるのを避けるため、真ん中の沢の左の尾根を登る。落ち葉と浮石だらけの急斜面を木につかまりながら登っていく。

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    11:00 標高差200mを登り切ると、頂上に続く稜線に出て、30mほど登ると頂上に到着する。頂上で沢靴を脱ぐと、全員スパッツと靴のすき間から1cmにも満たない小さなヒルが入り込んでおり、私とTさんの足ではヒルが食事中であった。ヒルの唾液には麻酔成分が入っているため痛みを感じない。早速取り除くが、ヒルの唾液の血液凝固を防ぐ成分のせいで、血が止まらないので、ポイズンリムーバーで唾液を含んだ血を吸い出す。ヒル対処が終わったところで、やっと自分達の食事となった。

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    12:00 ゆっくり頂上で休憩し、下山開始だ。下山路は地図には一切載っていないが明瞭な踏み跡となっている。最初の標高差100mは歩きやすいが、やがて両サイドが切れ落ちた急な岩だらけの道となる。両サイドの切れ落ち具合は戸隠山の「蟻の塔渡り」以上だが、木が生えているためそれほど恐怖感はない。しかし延々と標高差150mに渡り続いているため、精神的に疲れてしまう。

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    14:00 相変わらず急な斜面を下り、入山川に到達して渡渉し、駐車場所に戻る。

    柱状節理と長いナメ床は素晴らしかったが、妙義特有の暗くジメッとした雰囲気、高巻きと下山路の悪さ、ヒル攻撃の印象が強く残り、それから解放された今のところは、またぜひ行きたいという気持ちにならない。しかし、不思議なことに、時間の経過とともにいい思い出のほうが勝ってきて、マイナス点は忘れ去られることが多い。スリリングなマイナス点もスリリングゆえのプラス点になる。先々また思い出しては、行ってみようという気になるかもしれない。

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