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    瑞牆山クライミング

    2017-05-28

    瑞牆山へは長野市からは2時間以上かかり高速代も結構かかるため、15年くらい前にピークハントで行った以来なかなか行く機会がなかったが、所属山岳会「アスターク同人」のSさんがキャンプ前泊でクライミングを企画し、Mさん、Fさん、私の4人が行くこととなった。

    5月27日の夜に3名と長野ICで待ち合わせ、21時半ごろに瑞牆山のキャンプ場に到着した。車の乗り入れが可能なフリーのテントサイトはそれほど混んでいないようだが、夜で暗く状況が分からないため、テントサイトの出入り口付近に車を停めてから、テントを張り夜の宴会を始める。DSCF2001_800

    焼肉とおぶっこ汁を食べ、アルコールはそこそこにして、テントに潜り込み、眠りに就いた。

    5月28日朝、明るくなりテントを這い出して外を見てみると、昨日は暗くてよくわからなかったが、芝生の美しいテントサイトだ。瑞牆山には雲がかかりすっきりしない天気だが、カッコウが鳴いており、いかにも高原の夏の朝という感じで気持ちがいい。DSCF2003_800

    みんなで朝食を食べテントを撤収し、6:30にキャンプ場から端牆山の西方の十一面岩を目指し、ルート図集のエリア概念図と地図を見ながら登山道を進んでいく。しかし、行けども行けども十一面岩らしき場所に当たらない。かなり進んでから、道を間違えていることに気がついた。本来の目的地に行くべく、尾根をひとつ回り込み、十一面岩につながる谷筋に入り、ガレ場を登っていくと、大きな岸壁がそびえたっているのが見えてきた。十一面岩左岩稜末端壁に着いたようだ。

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    壁の基部まで行くと、二人ほど壁にとりついており、前傾クラックをジャミングしながら登っていた。当初登る予定だった「調和の幻想」ルートに行ってみるが、私自身の今のクライミング力では到底登ることができるようなルートではない。ここは見学と割り切り、隣のルートをすでにとりついているクライマーを5分ほど見ていたが、2ピッチ目を行くわけではなく1ピッチ目の終了点で終わりにし、数人で交代しているようだ。自分自身に登る能力があれば、上まで行きたいと思うルートなので、もったいないと感じてしまう。

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    末端壁を後にし、ガレ場をさらに30分ほど登り、十一面岩の正面壁に到着する。コンサートホールのステージのような大きな洞穴である「燕返しの大洞穴」の左右からすでに数パーティがとりついて登っている。

    私たちはどこを登ろうかと思案した結果、出だしの数ピッチが簡単そうな「錦秋カナトコ」ルートを登ることとなった。まずは私がリードで登ることになった。出だしはフレークをアンダーで登る。しかし、とりついてみると、フレークを使った登りは慣れてないことと、前日の同僚との山行の疲れもあり、苦戦する。おまけに大きくせり出したフレークの板はかすかに動き、挟んだカムを信用できないのでA0も危ない。じたばたしているうちに消耗してしまった。

    ここでMさんにトップで登ってもらい、私とFさんがセカンドで登ることとなった。

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    Mさんはそれほど苦もなく2p目まで登っていき、セカンドで私が最初に登り始める。何とかフレークを乗り越せたとところでよく見るとFさん側のザイルがからみ、それ以上登れない状態となってしまった。再び降りてザイルのからみを直し、再度フレークを登っていく。私が1p目登ったところで次にFさんが登る。上からよく見えなかったが、私同様フレークには苦戦しているようだったがクリアーできたようだ。再び私が登りだし2p目の手前が急なスラブとなっている。セカンドなので安心感はあるが、スラブも慣れていないせいでなかなか一歩が踏み出せない。なんとか登り切り、2p目の支点に到着する。Fさんはスラブにはそれほど苦労せずに登ってきた。この時点で時刻は14時となり下山する時間となったため、ここでクライミングを打ち切り、懸垂下降して下る。

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    荷物をまとめ下山を開始し、末端壁を下り樹林帯に入ると、下のキャンプ場あたりから救急車のサイレンの音が聞こえてきた。しばらくすると、ヘリコプターが飛んできて、上空をホバリングしながら拡声器で何度も「怪我人の居場所を合図してください」と呼びかけながら、過ぎ去っていった。(下山してからインターネットで検索してみると、周辺でクライマーが滑落して意識不明となったようである。)

    13:30くらいに駐車場の手前の広い芝生広場に着いて、後ろを振り返ると、広場周辺のツツジの向こう側に晴れ渡った空のもと十一面岩がそそり立ち、美しい風景が広がっていた。

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    その後、駐車場に着き荷物を整理し帰途に就いた。

    道迷いで少々時間をロスしてしまったが、その反面歩き回ったことで端牆山全体の様子が把握できた。気持ちのいいキャンプ場で数日間滞在して、クライミングすることができれば、贅沢この上ない環境だ。とはいえ、今の実力では登れるルートは少ない。クラックやスラブの技術を身につけ、ある程度登れる場所ができてから、再び訪れたいものである。

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    雪倉岳

    2017-05-05

    残雪時期に栂池高原スキー場~蓮華温泉~木地屋集落のクラシックルートには過去4回ほど行っている。蓮華温泉から木地屋集落に至るルートの途中のヤッホー平で振り返ると、周囲の山々からひときわ目立つ真っ白な山がある。それが雪倉岳だ。見るたびにあそこを滑ってみたいという思いに駆られていた。
    5年ほど前から毎年、雪倉岳山スキーの計画をたてるのだが、天候不順や日程の調整がつかず、行けずじまいであった。今シーズンは何がなんでもいく覚悟で、1か月ほど前からGWの5月3~7日のうち2泊3日で好天を狙って単独テント泊でいく計画をたてていた。同僚のW貫さんは5月3~5日なら同行できるということで、数日前の天気予報で好天になるのが確実そうだったので、5月3~5日で行くことになった。当初はGWの宿の混雑を嫌ってテント泊にする予定であったが、どうやらそれほど混んでないらしいので、蓮華温泉ロッジで宿泊することにした。

    5月3日

    朝8:00に中条のコンビニでW貫さんと合流し、車のデポ地点である木地屋集落に向かう。木地屋集落の奥の林道は除雪中であり除雪末端である標高850m地点に私の車をデポする。W貫さんの車で栂池高原スキー場に行き、ゴンドラとロープウェイを乗り継ぎ、自然園駅に到着する。

    11:20 1825m 自然園駅から天狗原に向かって登り始める。雲ひとつない快晴でお昼近くということもあり気温も上がり、シャツ1枚でも暑い。

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    12:10 2204m1時間弱で天狗原に到着し、ここで昼食で40分ほど休む。目の前の白馬乗鞍岳も白くて美しいが、雪倉岳はさらに気品があり、白馬乗鞍岳が「となりの町のお嬢さん」なら、雪倉岳は「深窓の令嬢」といったところだ。

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    天狗原の北面は、いいザラメ雪となり斜度25度くらいのちょうどいい斜面で滑っていて気持ちがいい。振子沢に入り、名前のとおり振子のように沢の斜面に右左に乗り移りながら滑っていく。

    13:30 1460m 雪に覆われた林道に着き少し歩くと、ベースとなる蓮華温泉ロッジに到着する。ルートをだいたい覚え効率よく滑れるせいか、昼食休憩の除くと実質1.5時間しかかかっていない。

    早速ロッジ受付を済まし、スキーを履いて100mほど上の露天風呂へ向かう。一番上の「薬師の湯」は女性がいたため遠慮して、下の「仙気の湯」に入る。源泉は少し熱いが、沢水をホースで引きこんで40℃くらいのちょうどいい湯温となり、のぼせることもなくいつまでも入っていられる。和歌山から来た若者と話しをしながら、1時間ほどのんびりと過ごす。

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    宿に戻り、W貫さんはビールや夕飯でワインを飲み、下戸の私はビールやワインを少々おすそ分けしてもらった。食事後はアルコールがまわり眠くなり、19時くらいから寝てしまった。

    5月4日

    今日はいよいよ雪倉岳だ。最低でも9時間はかかるようなので、5時台に出発するべく4:30に起き前日に作っておいてもらったおにぎりを食べる。天気はよく雲ひとつない。

    5:10 蓮華温泉を出発する。高度を一定に保ちながらいくつも谷を越えていく。1時間強で瀬戸川に下る斜面に到着し、一旦シールをはがし、瀬戸川まで滑り下りる。同じくらいに4名のパーティも瀬戸川を下ってきた。

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    6:50 1390m 瀬戸川を渡り切ったところでシールをつけて目の前の谷を登り始める。4名のパーティはここは慣れているようで、あまり迷わずどんどん先に進んでいく。

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    「雪倉の滝」がかかる谷は急であり途中で滝がでて割れているため、向かって左の広い谷を登り、標高1600mあたりで右の斜面を乗り越え雪倉の滝上部の谷に入っていく。

    30度くらいの斜面を登っていると斜面の途中で右足のシールがはがれてしまった。どうやら雪の汚れで粘着力が弱まったところに横向きの力が加わった際にさらに汚れた雪が入り込んでしまったようだ。粘着力が全くなくなってしまい、急斜面の途中では落ち着いて手入れ作業ができないので、板をザックにくくりつけて登る。軽めの板ではあるが、担ぐと肩と腰に重さがずっしりとかかってくる。

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    斜度が緩んだところでシールの汚れた糊面をタオルでよく拭き、糊面を何度も貼り合わせては剥がしを何度か繰り返しているとやっと粘着力が回復した。再びシールを貼り登り始める。

    9:00 1960mあたりで谷から広い稜線にでると、ここからずっと25~30度程度の真っ白な斜面が延々と続く。まっすぐ直登できなくはないが、同じ筋肉を絶えず使うことですぐに疲れてしまうので、ときおりジグザグを切りながら登っていく。

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    11:10 2611m 雪倉岳頂上に到着。今まで風は全く吹いていなかったのだが、頂上に着いた途端、南からの強烈な風に晒される。少し遅れているW貫さんを待つため、日のあたる岩陰で風をしのいでいると、W貫さんも到着し記念写真を撮る。

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    11:40 天気がいいのでもっとゆっくりしたかったが、強風で落ち着かないので滑り始める。少し下に下がると無風状態となり、気持ちも落ち着いてきた。遠くに妙高や高妻の山々を眺めながら、ターンのしやすいザラメ雪を気持ちよく滑っていく。一気に滑ってしまうのはもったいないので、途中で休み休み景色を楽しみながら滑っていく。

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    12:20 40分ほどで瀬戸川渡渉地点に到着し、瀬戸川渡渉点でシールを貼り、もと来た道をたどっていく。途中で、またシールがはがれたので回復処理をしたり、割れた沢で水分補給してくつろぐ。

    14:30 ロッジに到着後、内湯に入り、談話室でコーヒーを飲み、W貫さんと今日の雪倉岳での登りと滑りを振り返る。

    5月5日

    今日は木地屋まで下るだけだ。ロッジの情報によると、弥兵衛川のスノーブリッジはもう危ういらしいので、ヤッホー平へのショートカットはできず、長い林道を延々と歩くしかない。

    6:00 ロッジを出発する。1時間ほどでヤッホー平に着いて振り返ると、昨日滑降した雪倉岳が私たちを見送ってくれる。ここに来るまで雪倉岳の全容を眺めることができなかったので、自分たちの滑ったルートをたどり、昨日の楽しい思い出に浸る。

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    ヤッホー平、栂平を過ぎ、きつい登り返しの角小屋峠を越える。ここからは複雑な地形ではあるが、赤テープが随所に巻かれているので、迷うことはない。

    10:00 一昨日車をデポした地点に到着し、周辺でふきのとうを採る。帰りには猫鼻の湯に立ち寄り、帰途についた。

    好天、温泉、ザラメ雪と快適な3日間を過ごすことができた。雪倉岳は滑りはわずか40分ほどであり、登りには5時間と8倍近い時間を費やしている。しかし、経験の価値はその時間の長短ではなく、その経験の内容である。この素晴らしい斜面での滑降の凝縮された経験は、短い時間であっても価値ある経験としてずっと忘れることはないだろう。

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    白馬鑓温泉

    2017-04-30

    グリーンシーズンには白馬三山縦走での憩いの場となる白馬鑓温泉は、冬~夏前までは営業しておらず、雪崩倒壊を避けるため、小屋は解体されている。温泉はそのままかけ流しのためいつでも入れる状態だ。GW直前に猿倉林道が開通されるのに合わせて、山友のK津さん、H山さん、T島さんの4人で行くこととなった。

    朝7:30に猿倉駐車場に着いてみると、GWの休みの途切れ目のせい、もしくは、数日前の白馬大雪渓での雪崩事故のせいで、駐車場は比較的空いていた。

    8:00 猿倉駐車場からの登山口には登山届のテントが張られ、係員さんが受付を行っている。白馬鑓温泉に行く旨を伝えると、「鑓温泉はお湯が漏れて無いらしいと聞いたよ」と言われたが、どうやらデマらしいという噂も聞いていたので、ダメモトで行くことにした。

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    今年は残雪が豊富なので、猿倉駐車場から雪が途切れることがないため、曲がりくねった林道や登山道はショートカットして効率よく登っていくことができる。

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    標高1400mあたりの開けた台地に出ると、白馬三山からの稜線から強い風が吹き降ろしてくる。ときおりバランスを崩しそうになるほどの風だ。

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    10:00 1820m 大日方のコルに到着すると、さらに強い風が吹いている。鑓温泉方面を見ると、20名くらい鑓温泉への斜面にとりついており、すでに湯船がある場所に数名いるようだが、入浴できているのかどうか遠くすぎて分からない。

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    ゆっくり景色を眺めて休憩をしていられないので、早々に滑走準備をして、杓子沢への斜面に飛び込む。最初の数ターンは気持ちよく滑ったところで、急にストップスノーになり、バランスを崩しそうになってしまう。どうやら雪の汚れた部分がストップスノーになっているようだ。

    できるだけ白い雪を拾いながら、杓子沢まで滑り降りる。谷にまでは強風は吹いてこないようなので。雪崩が起きても巻き込まれない場所で休憩する。

    鑓温泉への登りは、例年は風が吹かず暑い思いをするのだが、今日は涼し風が吹いて気分よく登っていける。

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    11:30 2015m 鑓温泉に到着してみると、湯船の周囲は3m以上の残雪があり、お湯があるのかどうかよく見えない。60cm幅のステップが掘られており、そこから湯船を覗くと、しっかりお湯があり10名ほどが入浴している。来た甲斐があったというものだ。

    早速、湯船の端に降り、水着に着替えて入浴だ。相変わらず湯の温度は高くゆっくりと入っていられない。ときおりスコップで周囲の雪を放り込んで湯温を下げるが、数分もするともとの高温となってしまう。しかし、今日は風が少し吹き、天気もいいので、湯船に入ったり出たりすることで、暑くもなく寒くもなくちょうどいいくらいだ。

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    入浴した後は、昼食をとり景色を眺めてのんびり過ごす。ここにいると、あまりの気持ちよさに時間が経つのを忘れてしまう。

    13:00 いつまでもここでのんびりとしていたいが、そんなわけにもいかないので、滑降開始である。多くのスキーヤーが滑り、ストップスノーの原因である表面の汚れた雪がはぎとられ、そこそこ快適な滑りができる雪だ。

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    杓子沢に到着し、大日方のコルに登り返す。大日方のコル直下の広い急な斜面は40度近くあるのだが、気持ちいいザラメ雪となり、斜度は全く気にならない。そのまま樹林帯に入り、ツリーランを楽しむ。

    14:40 猿倉の駐車場に到着。

    9年前に初めて来て以来、毎年のように訪れ、今回で8回目くらいであろうか。雪崩の危険性の高い春山でありそれなりの緊張感の中、近所の日帰り温泉施設に行くような気軽さが相交じり、普通の山スキーとは異なる楽しさがあり、飽きることがない。きっとまた来シーズンも来ることになるだろう。

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    妙高澄川

    2017-03-26

    山スキーを始めて20年近く経ったが、始めて間もないころからやってみたいことのひとつに、「三田原山経由で妙高の高谷池ヒュッテに冬季避難小屋となっている時期での宿泊」がある。地元の人からすれば、大したことではない話ではあるが、山スキーを始めたころは長野県民ではなかった私にとっては、憧れに近い行為である。小屋明け後の高谷池ヒュッテには何度も泊まっているが、冬季開放されている3階で宿泊、できれば仲間と宴会ができれば言うことはない。何度も火打山に山スキーで登っているが、火打山の肩から臨む澄川源頭も滑ってみたい。満を持してというわけではないが、所属山岳会アスターク同人で声掛けしたところS原さんとS木さんが参加表明し、山友のT島さんも参加と相成った。

    3月25日

    7:30 長野市でT島さんを車でピックアップし、下山口である菅沼集落に車1台デポするために、S原さんと中郷のコンビニで待ち合わせをする。林道の入口がよくわからずウロウロしたが、何とか目的のデポ地点に到着し、S原さんの車をデポする。

    9:00 妙高杉ノ原スキー場に向かい、夜勤明けのS木さんと合流する。準備を整え、ゴンドラとリフトを乗り継ぎ、ゲレンデトップに向かう。

    ゲレンデトップに着いてシールを貼って準備をしていると、外人一人から声をかけられる。「GWに黒沢池ヒュッテに行きますか?」。何だかよく分からなかったが、いろいろ話をすると、妙高の姉妹都市のアラスカから来た黒沢池ヒュッテの小屋番さんのようだ。どうもS木さんが、昔のアラスカから来た小屋番さんのことを知っており、その小屋番さんと話が盛り上がった。

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    10:00 うっすらとしたガスの中、三田原山に向かって登り始める。最初はガスっていたが、徐々に晴れだした。アイゼン・ピッケル・食料で荷物が重いのと、出だしは体が慣れていないので、どうしても苦しく感じる。他のメンバーも「出だしは苦しい」と、みんな同じ思いのようだ。

    11:40 ゆっくりとしたペースで登り、稜線に到着。お腹が空いたので軽く食事をする。

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    12:20 三田原山に到着するころにはすっきりと雲がとれている。

    準備を整え、黒沢池に向かって滑り降りる。北面なのでなかなかいいパウダーだ。

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    しかし、黒沢池に到達する直前で雪質が変わり、溶けた雪面の水滴がスキーのソールに付き、スキーが雪の下の層に潜り込むと、冷やされてあっという間にスキーのソールに氷付き、雪の高下駄状態となり、前に進まなくなってしまった。ワックスでしっかり手入れしてるS木さんだけは大丈夫なようで、他の3名はスキーのソールにしっかり氷が付着してしまった。

    13:30 何とか黒沢池に到達し、次に茶臼山に登り返しだ。既に、3名ほどのパーティのトレースがついており、ありがたく辿らさせてもらう。

    14:20 高谷池ヒュッテに到着。雪は3階まで到達しているが、登り口となる部分は大きく2mほど下に窪んだ2階部分からはしごで登る。

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    3階に入るとすでに3名のパーティが荷物が奥に置いてあった。どうやら火打山に向かったようだ。当初は13:00ころに着いたら、私たちも火打山に登るつもりであったが、もう遅いので小屋でまったりとすることになった。

    事前に妙高市の観光協会で確認しておいたが、布団・毛布・枕は20組以上あるし、外出用の長靴もある。ただし、暖房はなく、トイレは外の樹林帯でするようにという案内が掲げてある。宿泊代は一人1000円で1階に通じるパイプに投じる。

    アルコール好きのS原さんとS木さんは、早速つまみを広げ、バーボンやスコッチウィスキーを楽しみだした。私とT島さんは下戸だが、お酒の匂いは嫌いではないので、少しいただき、なめるようにして楽しむ。

    なんだかんだと世間話をしていると16:00になり、早々と夕食の用意をし始める。本日はしょうゆだしの豚鍋だ。白菜、ネギ、シイタケ、春菊、豚肉を煮て、ゴマダレでいただく。大した手間の料理ではないが、おいしいし、体が温まる。しめは「おぶっこ」である。「おぶっこ」とは幅2cmくらいのひらべったい北信のうどんだ。新潟育ちのS原さんとS木さんは初めて見たとのこと。

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    17:00になると、お隣のパーティが戻ってきた。男性2名、女性1名のパーティで、明日は火打山の肩から黒菱山へ登り澄川を滑るとのことだ。食事が終わると、日もすっかり落ち、寒くなってきたし、疲れがでてきたので、みんな布団にもぐりこんだ。

    ふと目が覚め時計をみてみると23時だ。用足しに外にでて、再び布団にもぐるが、足が異様に冷たいし、なんだか寒気がして、なかなか寝付けない。風邪の兆候かとも思い、体を温めるために漢方の葛根湯を飲む。体がポカポカしてきて寝付くことができた。

    3月26日

    4時には起きてしまうだろうと思っていたが、目が覚めると6時。意外とぐっすり眠ってしまった。外を見ると、真っ白な火打山が見える。今日も天気がよさそうだ。朝飯は鶏肉と野菜を煮込み、餅を入れて、雑煮である。7:30にはお隣のパーティは先に出発した。

    8:00 遅れること30分、部屋を片付け、私たちも出発の用意を外でしていると、ガスがあっという間に立ち込め、視界10m程度になってしまった。

    先行パーティのトレースがしっかりとついているので、それを黙々と進む。時折、前日のトレースだろうか、複数にトレースが分かれるので、コンパスで方向を確認して進む。少し離れるとメンバーが視界から消えてしまうため、大きく離れないように進んでいく。

    9:00 ヒュッテから1時間ほどで火打山の肩に到着すると、視界5m程度の上、強風だ。先行トレースは澄川源頭の斜面に滑り込んでいる。ここでシールをはずし、滑降開始だ。

    斜度が30度以上あるため、雪崩が心配だ。少し斜面に踏み込んで振動を与えてみると、パウダーだが安定しているようだ。先行トレースも崩れている様子もないので、雪崩の心配はなさそうだ。

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    しかし、視界はさらに悪くなり目標となる木も岩も無く、足元しか見えず、雪面のうっすらとした風紋が自分が動いているか止まっているのかの唯一の目印だ。この風紋もスピードをだすとまったく見えず、自分が動いてるのか判断がつかない。せっかくのパウダーだが、スピードも出せず、慎重に下るのみだ。15m以上離れると、もうお互いにどこにいるのか分からない。

    やがて、谷がせばまり、周囲の木がうっすらと見えだし、少しはまともに滑ることができるようになってきた。先行パーティのトレースも現れた。どうやら先行パーティは黒菱山はあきらめて、澄川滑降になったようだ。

    標高2000mあたりで、やっと周囲が見えるようになってきたと思った途端、パウダーだった雪はハードなモナカ雪に変わってしまった。重荷もありジャンプターンは大変なので、ボーゲン、斜滑降、キックターンを交え、滑っていく。雪質は最悪ではあったが、澄川が大きく蛇行しているところは、そそり立つ両岸に挟まれた広い川底となり、日本離れした雄大な景色となる。

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    徐々に雪は緩みだし、少しザラメ雪に近くなってきた。スキーも走り片斜面を斜滑降気味に滑り距離を稼ぐ。

    黒菱川出合あたりから沢が割れだした。しかし、先行トレースはうまい具合に迷うことなく、スノーブリッジを左右にわたり、進んでいる。

    12:30 北桑沢出合に到着し、先を見てみるとかなり沢が割れており、沢沿いを進むのが難しそうだ。先行トレースはシールで右斜面を登っている。当初調べたルートではもう少し先で登り台地にとりつくのだが、ここは慣れていそうな先行トレースを追いかけることとした。

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    100mほど登り、斜度を落とさぬよう滑ったり歩いたりして台地に乗り、第三発電所に続く尾根に到着した。

    第三発電所まで滑り下り、板を担いで、すきまだらけの吊り橋を渡る。

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    再びシールをつけて斜面を登り、林道の末端に到着した。

    あとは林道を滑って、車のデポ地点に戻るだけだと考えていたが、林道の斜度が緩く、ほとんどスケーティングしないと前に進まない。重荷と疲れた体に4kmのスケーティングは結構きつい。途中で林道整備のスノーモービルに追い抜かれた際には、フックでも引っかけて引っ張っていってもらえればと、思ってしまった。

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    15:15 車のデポ地点に到着。火打山の肩から4時間程度で着くかと思っていたが、ガスや雪の条件が悪く予想以上に時間がかかってしまった。その後、車に乗り、再び杉ノ原スキー場に到着し解散した。

    上部がガスっていたり雪の状態が悪かったためみんな疲れきっているが、それぞれの澄川を滑りたいという想いを達成できたので、みんな満足げだ。長いルートを踏破したことは嬉しいが、それ以上に、みんなで話をしたり、助けあったり、一緒に鍋をつついたりしたことも楽しい思い出として残ることだろう。

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    島根・鳥取ツアー

    2017-03-11

    勤務先では制度として年に1度5日間連続で休暇を取得することになっている。この1年多忙だったためなかなか取得できす、年度末の3月にとることになってしまった。とりあえず仕事が比較的たてこまなさそうな3月6日から10日まで取得することにしたのだが、何か計画をしているわけではないし、家族や友人が同じ期間休暇をとれるわけではない。家でぶらぶらしているのはもったいないので遠出をすることにした。

    さて、どこにしようかと思案した。できれば、以下の条件を満たすところがいい。

    • 百名山に登る。できれば山スキーで。
    • 行ったことがない都道府県に行く。ちなみに高知、島根、鳥取のみ。
    • 天候不順の場合、観光ができるところ。城マニアとしては城があるところ。

    いろいろ考えた結果、次の計画となった。島根で国宝松江城に行き国宝5城制覇、ついでに出雲大社。鳥取で大山に登り、ついでに鳥取砂丘見学。宿泊代がもったいないので車中泊。平日なので高速道路の休日割引が適用されないので、深夜割引が適用される時間帯(0時から4時)に長距離移動をする。

    3月9日

    まずは島根の出雲大社へ向かう。高速道路の深夜割引を適用させるため、未明3時に自宅を出発し、3時半に高速道路に入る。夜はあけていないし、雪も降りだし、運転条件は最悪だし、少々寝不足で体調が悪いままの運転だ。岐阜県に入るあたりでやっと夜が明け始め、太陽の日を浴びると元気がでてきた。大阪付近で少し渋滞になった以外はスムーズに車を走らせ、13時に出雲大社に到着する。

    それほど動いていないので、さしてお腹は空いていないが、とりあえずお昼を食べることにした。出雲そばが軽くてよさそうなので、スマホでググって、出雲大社近くの「千鳥そば」に行った。平日のお昼過ぎだったのでお客は私一人。特製三段を注文する。歳をとるごとに、カレー大盛とか焼肉バイキングというような同じものを大量に食べることができない。こんな風にそばをいろいろな味付けで楽しめ、おやつ感覚で食べることができる。

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    お店で近くて出雲大社正面のお奨めの無料駐車場を教えてもらい、そこに車を停め、出雲大社を見に行く。参道が石畳で敷き詰められ、その両脇にお土産店や名品店が立ち並び、大社の鳥居に近づくにつれ坂道が上がっている。あれ、なんか見たことがある風景。そうだ!善光寺の門前と同じである。門前プロデュース会社があって、あちこちで展開しているかと思わせるほど雰囲気がよく似ている。

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    信心がない(というより宗教嫌いの)私ではあるが、参拝のお作法にのっとり、出雲大社本殿前で二礼二拍一礼をする。参拝したあとで横の看板をみると、出雲大社では二礼四拍一礼らしい。宗教嫌いにはあまり関係はないが、何となく失礼であったと思うのは日本人たる所以か。

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    つぎに城マニアである私の一番の目的である2年前に国宝になったばかりの松江城を目指す。本丸と天守閣の一部が工事中で景観としては今一つではあったが、天守閣に登れば、松江市内が一望でき、お殿様気分ではある。

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    今晩は車中泊である。夕暮れになり、車中泊の場所として、境港市の海沿いの公園が静かで近くに温泉やスーパーや回転すしもあり便利そうなので、そこに行ってみた。にぎやかな海に面したモールを想像していたが、ほとんど空き地で殺風景な上に、雪が降りだし海沿いの強風に吹かれ、寒々とした感じになってきた。こんなとこに一晩いたら気が滅入りそうなので、スマホで検索して、米子市の街中に近い道の駅に変更することにした。

    米子市に入ったところで、少し高めの回転すし店「北海道」で食事をし、近くの皆生温泉の日帰り施設「OUランド」で入浴した。その後、道の駅「あらエッサ」に移動し、静かな奥の駐車場に車を停め、荷室に長座布団を敷き、シュラフにくるまる。外は少し雪は降っているが、満腹で弱めの塩泉でポカポカして、ぐっすりと眠りについた。

    3月10日

    朝4時ごろ雨の音で目が覚めた。今日は鳥取の大山に登頂する予定なので、少々がっくりである。再び眠り、起床予定の5時に起きて、空を見上げると星がでている。やったー!晴れた!と思い、道の駅のトイレで身支度をして、車に戻ると、星空があっという間に曇ってしまっていた。今日は天気が不安定なようだ。米子市内の吉野家で朝食をとり、とりあえず、大山の麓の登山口である下山(しもやま)キャンプ場に向かう。

    下山キャンプ場登山口に近づくほどに、天気は悪くなり、登山口に着いてみると、風が強く吹雪いており、稜線は森林限界より上はガスで真っ白でまったく何も見えない。しばらく登山口近くのモンベルの駐車場で行くかどうか迷っていたが、天候が悪すぎるし、初めての山で様子は分からないし、単独でもあるので、無理はせず登頂は断念することにした。

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    近くのスキー場で遊ぶことも考えたが、リフト代は高いしガスっているので、これも断念し、下界で観光することにした。

    鳥取砂丘に向かう途中の海岸沿いに、10数機の巨大な発電風車が並んでおり、これはこれで不思議な景観だ。

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    鳥取砂丘に到着し、駐車場に車を停めて、砂丘に向かう。最初は広い!と感じたが、実際歩いてみると案外広くはない。あとで地図で見てみたら、実際は奥行き1km幅4km程度のようだ。雪山に登れなかった悔しさを砂山に登って晴らすことにした。

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    まだ、観光シーズン前のせいか、観光ラクダもいなければ、近くの砂の美術館も準備前だ。砂丘をブラブラ1時間ほど散策する。

    次に、かつて鳥取知事が「鳥取にはスタバはないけど日本一のスナバがある」という発言から生まれた「すなば珈琲」に行ってみることにした。近くに数店舗あるようだが、一番近い店舗は休業で次に近い鳥取駅前店に行くことにした。

    駅裏のイオンに車を停め、駅正面の「すなば珈琲」に向かう途中にスタバがオープンしていた。平日の1時過ぎということもあり、閑散としていた。駅前の「すなば珈琲」に入ってみると、中は狭く、20人も入れば満席である。2組待っていたがせっかくなので待つことにした。待つこと10分ほどでテーブルにつき、お昼をまだ食べていなかったのでスナバランチを頼んだ。

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    サラダ、ハンバーグ、エビフライ、トーストになぜかドーナツとみそ汁がつくという不思議なランチである。となりの女性カップルが頼んでいたデザートがおいしそうであった。

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    行きたい場所もなくなり長野に帰るだけとなった。高速深夜割引を適用するには、長野ICを0時以降に出ればいい。鳥取からだと車で8時間ほどかかるので、逆算して14時に鳥取市を出発した。

    鳥取市から車を30分ほど走らせると、小高い山の上に端正な城があるのを見つけた。まったく何城か見当がつかなかったが、とりあえず立ち寄ってみた。看板をみてみると、南北朝時代の山城跡にふるさと創生金を使い町おこしのために犬山城を模して建てたらしい。歴史的にそそられるものはないので、外観だけ眺めるだけにした。

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    高速をひた走るが、夜になるにつれ疲れてきて、サービスエリアに何度も入って休み休み走ったため、家に着いたのは未明2時となった。

    最大の目的である大山登頂は果たせなかったが、島根・鳥取訪問、国宝5城制覇は達成できた。夏山であれば多少天気が悪くとも登頂できるが、冬山では条件がシビアなため登頂のチャンスが限られてしまう。再訪する言い訳ができたと思い、その機会が訪れるのを楽しみにしよう。

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