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    林道東豊線から松代・奇妙山

    2018-12-09

    2週間ほど前に、長野市松代の集落滝本から伸びる林道東豊線の奥にある岩場に車で偵察に行ったのだが、思いのほか道が悪く、落石が車の腹に当たったり、小枝が張り出しボディーにやたらと小傷がついてしまった。岩場自体は良さそうだが、あまり車では行きたくない場所である。
    落石や木の枝が多く落ちており、轍もところどころ深く、慎重に運転せざるをえないため、歩くスピードと大差がなかったこともあり、林道手前で車を停めて歩いた場合の時間を把握するために、再度行くことにした。
    この林道は奇妙山の南面を走っており、奇妙山へな通常は西面の松代の集落から登ることが多いが、長野の里山ガイドブックのバイブルである『北信・東信 日帰りの山』には、登山道は無いものの林道奥の岩場あたりからも奇妙山に登ることもできるらしいので、せっかくなので、ついでに登ってみることにした。

    11:30 651m 林道が始まる手前200mのところの路肩に車数台を停めることができるので、そこに車を置いて出発である。温度は0℃ほどで、ときおり小雪が舞い、まだ寒さに慣れていないため、かなり寒く感じる。

    林道入口には「災害発生」の看板がある。光って見えにくいが「落石のため通行止め」と書いた紙が貼ってある。前回来たときは落石は確かに多かったが、岩場までは車高の高い車であれば問題ない程度であった。岩場から先に大きな落石があるのかもしれない。

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    車で行くとかなり神経を使うが、歩いてみると多少のデコボコや落石や木の枝は全く気にならず、歩くにはすこぶる快適な林道である。

    12:10 824m 40分ほどの歩きで岩場に到着した。車だと30分くらいだが、車への傷の心配や運転で神経をすり減らす必要はないので、歩きのほうが得策だ。

     

     

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    せっかくなので20分ほどルートの下部にとりついてみて、岩の感触を楽しむ。しかし、岩の冷たさであっという間に手がかじかんでしまった。クライミング道具やザイルは持ってきており上からザイルを垂らしソロクライミングを楽しむ気でいたが,岩壁の上部に抜けられるような斜面は近くになさそうである。しょうがないので、奇妙山登山に切り替える。

    本によると、200mほど戻った地点から登るようだが、岩場からさらに100mほど行ったところの谷筋に踏み跡があり、50mほど登れば尾根に出られそうだったので、そこから登ることにする。

    尾根にでると、普通の登山道ほどは整備されていないが、森林の手入れとしての間伐がしっかりされており、藪を漕ぐこともなく歩くことができる。

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    尾根筋が不明瞭になってくるあたりから、傾斜が増してきて、岩と落ち葉で滑りやすくなってきた。木を掴みながら滑らないよう慎重に登る。クライミング道具も担いできているので尚更きついが、クライミング本チャンのアプローチ訓練と思い、一歩一歩前に進む。ひたすら木と岩を掴むので、「一手一手」という感じか。

    稜線に着き、1070mの小ピークに行くと、示道標が立っていた。右側は「奇妙山」左側は「赤野田」となっている。地図で調べてみると奇妙山の西方3km先の集落らしい。

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    奇妙山方面に進んでいくと、進んでいくほどに両脇が切れ落ちた岩場になってきた。途中に高さ3mほどの薄い石碑のような岩が、人が立てたかのように垂直に屹立しており、自然の不思議さを感じざるをえない。

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    さらに進むと、1.5mの神官の石像が立っている。その昔、御嶽講が盛んなころ、御嶽山に行けない人のために、御嶽山に行く代わりにここに立てたとのことである。神官が何か重要なものがあるかのように、手を合わせている方向は、御嶽山の方向でもないし、その先には低い山並みしか見えない。日の出の方向なのだろうか。

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    細い針のような雪が少し積もっている。こんな細い雪見るのは初めてである。

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    13:30 1099m 細い稜線を進み、奇妙山頂上に到着した。西方にある尼厳山方面からはトレランで何度か足を運んだことがある頂上ではあるが、異なるルートからくると、初めて登ったかのような新鮮な印象である。

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    お腹も空いてきたので、買ってきたパンをかじってみるが、-2℃という気温と風のせいであっという間に体が冷えてしまい、ゆっくりするところではなくなってしまい、早々に下山開始だ。

    下山は登りよりもスピードは多少速いのだろうが、一度通ったルートは時間の経過を早く感じる。
    1070mからの下りは少し西によって下りてしまったが、なぜこんなところに?という急な斜面の途中に祠が設置してあった、

    間もなく林道というところで、岩場の上部にでてしまい、登り返しをしたが、無事に林道にでた。

    もと来た林道は山の斜面を大きく横切っているので、ショートカットするためのルートを地図で探していると、いけそうな尾根があったので行ってみることにした。行ってみるとなだらかな尾根となっており、木に赤テープがところどころついている。


    ぐんぐん下っていくと、廃道となった林道の末端にでた。灌木がところどころ生えた旧林道を下っていくと、動物避けの囲いにしっかり覆われた畑にでた。どうやら私有地のようだが、ここを通過しないと車を停めた場所まで到達できなそうなので、囲いを跨ぎ進んでいく。10分ほど短縮になるいいショートカット道だが、私有地を通過するため、使えなさそうだ。

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    15:20 車を停めた地点まで到着。登った奇妙山が目の前に大きく広がっていた。DSCF2593_800

    今回のルート。ところどころ誤差あり。

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    湯檜曽川東黒沢白毛門沢 単独沢登り

    2017-08-27

    この週末は諸事情あり同行者を募って山行ができないため、初級の沢で人気ということで単独でもそれほど困ることはなさそうな白毛門沢に行くことにした。

    早朝4時少し前に長野を出発し、十日町経由で、水上の土合駅近くで白毛門登山口脇の駐車場に7時前に到着し、沢装備を整える。

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    7:10 683m 駐車場脇から延びる東黒沢左岸の沢沿いの登山道を歩いていく。

    7:25 15分ほど歩くとナメ床が広がり始めたので、沢靴に履き替えて入渓する。最初何気なしに数歩歩いたところで、流心以外の場所は赤コケがつき、やたらと滑るのに気がついた。「フリクション」なんて言葉が世の中に存在しないくらいに、磨かれたナメの赤コケは滑る。注意せずに斜面に足を置いて体重をかけようもんなら、ツルッといってしまう。流心は流れが強すぎて入れないので、赤コケのナメを慎重に歩いていくと、10分ほどで「ハナゲの滝」に到着する。

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    先っちょが二手に分かれてそれが鼻毛のように見えるからついた、名前なのだろうか。美しいナメにもかかわらず、少々残念な名前だ。来る前はこの滝を登る気満々だったが、あまりの滑り加減に登るのは断念し、右岸の巻き道を選択した。かなりよく踏まれた巻き道だ。

    難なくハナゲの滝の落ち口に到着すると、ここで少々不安材料が頭をよぎる。もっと人が入ってくるかと思ったが、後続が来る気配は全くない。この先携帯電波も入らなさそうだ。かなり滑りやすいので万が一滝で滑って滑落し怪我でもしようもんなら、救助を求める手段は無線ぐらいしかなさそうだ。うーん、引き返そうか。。。でも、もう少し先も見てみたいし。。。もう少し先に行って判断しよう!ということで先に進む。

    その後も美しいナメと5m前後の滝が次々と現れ、数手で登れそうな滝は直登し、滑落の危険性の高い滝は巻いていく。巻く人もかなり多いのかほとんどの滝には巻き道がついている。滑って滑落する不安を感じながらも、先へ先へと進んでいく。

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    10mの滝と15mタラタラノセン(下の写真:巻き道より)は、一目で登るのは危険と判断し、巻き道を進む。巻き道は滑落のリスクは低いが、大滝の巻き道は急な斜面を灌木を掴みながら登るので、滝の直登よりも体力を使う。

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    タラタラノセンの後の滝をいくつか越えると、特徴的な巨石が現れる。小太りの四角い顔でリーゼントヘアーしているみたいで、どことなくユーモラスだ。

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    ここを過ぎると赤コケが少なくなってきて、あまり滑らなくなってきた。水量も減ってきたのもあり、次から次へと現れる小滝は直登していく。「もう小滝はいいよー」と思っていると、やがて水は涸れ、頂上下のスラブ帯に突入する。ホールドは豊富だがそこそこ斜面が立っているので、気を落ち着けるため小休止をとる。

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    残念ながら白毛門頂上はガスに覆われ、まったくその姿は見えない。スラブ帯が永遠に続いているように見えてしまう。標高差50m先で動く人影が見える。どうやら先行者がいるようだ。

    どこを登っても頂上に続く稜線にでそうだが、できるだけ頂上近くに出られるようにスマホのGPSで位置確認を行う。やがてスラブ帯は草付きに変わり、人の話声が聞こえるようになってきたかと思ったら、ドンピシャで頂上直下の登山道にひょっこりと出た。

    12:30 1720m 頂上には、沢登りや縦走者が10名ほど休んでおり、賑やかだ。見ず知らずの人たちだけど、人がいるっていうのは安心する。頂上で沢装備を解除し、行動食を食べる。(下の写真:頂上の標識)

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    12:50 下山靴に履き替えて下山開始だ。登山道からはタラタラノセンやハナゲの滝が見え、沢中での不安を思い出す。立派な大きなユリの花が咲いていた。そういえば沢の中では花を見る余裕もなかった。

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    お腹も空いたし冷たいアイスコーヒーも飲みたい!と思うと下山スピードは増し、標高差1000mの急な斜面を1時間20分で駆け降りていく。

    14:10 駐車場に到着。

    車で帰る途中、何か肉っぽいものを食べたいと思い、食事処の看板を見ながら水上ICまでの道を車を走らせていると、もつ煮定食の看板が目に入る。知らなかったが、もつ煮はこのあたりのご当地グルメらしい。店に入ると店員2名以外誰もいない。食事はもうやっていないのかと思い、「もつ煮定食、まだありますか?」と聞くと、「ごはんが一食分しかないので、一人分だったら大丈夫ですよ。」とのこと。これは運がいいのかな?

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    その後、3時間車を走らせ、自宅に到着した。

    怪我のリスクが高く人けが全くないバリエーションルートを一人で行くというのは心理的な不安が大きいとつくづくと感じる山行であった。結果的に一人で乗り切ったことに自信は持てたが、ナメ・オンパレードの美渓を不安だらけで登り、やたら巻き道を選択するのは、あまり楽しいものではなかった。やはりある程度の技量を持ったパートナーが一緒だと安心できて、沢登りそのものを楽しむことができそうだ。

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    瑞牆山クライミング

    2017-05-28

    瑞牆山へは長野市からは2時間以上かかり高速代も結構かかるため、15年くらい前にピークハントで行った以来なかなか行く機会がなかったが、所属山岳会「アスターク同人」のSさんがキャンプ前泊でクライミングを企画し、Mさん、Fさん、私の4人が行くこととなった。

    5月27日の夜に3名と長野ICで待ち合わせ、21時半ごろに瑞牆山のキャンプ場に到着した。車の乗り入れが可能なフリーのテントサイトはそれほど混んでいないようだが、夜で暗く状況が分からないため、テントサイトの出入り口付近に車を停めてから、テントを張り夜の宴会を始める。DSCF2001_800

    焼肉とおぶっこ汁を食べ、アルコールはそこそこにして、テントに潜り込み、眠りに就いた。

    5月28日朝、明るくなりテントを這い出して外を見てみると、昨日は暗くてよくわからなかったが、芝生の美しいテントサイトだ。瑞牆山には雲がかかりすっきりしない天気だが、カッコウが鳴いており、いかにも高原の夏の朝という感じで気持ちがいい。DSCF2003_800

    みんなで朝食を食べテントを撤収し、6:30にキャンプ場から端牆山の西方の十一面岩を目指し、ルート図集のエリア概念図と地図を見ながら登山道を進んでいく。しかし、行けども行けども十一面岩らしき場所に当たらない。かなり進んでから、道を間違えていることに気がついた。本来の目的地に行くべく、尾根をひとつ回り込み、十一面岩につながる谷筋に入り、ガレ場を登っていくと、大きな岸壁がそびえたっているのが見えてきた。十一面岩左岩稜末端壁に着いたようだ。

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    壁の基部まで行くと、二人ほど壁にとりついており、前傾クラックをジャミングしながら登っていた。当初登る予定だった「調和の幻想」ルートに行ってみるが、私自身の今のクライミング力では到底登ることができるようなルートではない。ここは見学と割り切り、隣のルートをすでにとりついているクライマーを5分ほど見ていたが、2ピッチ目を行くわけではなく1ピッチ目の終了点で終わりにし、数人で交代しているようだ。自分自身に登る能力があれば、上まで行きたいと思うルートなので、もったいないと感じてしまう。

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    末端壁を後にし、ガレ場をさらに30分ほど登り、十一面岩の正面壁に到着する。コンサートホールのステージのような大きな洞穴である「燕返しの大洞穴」の左右からすでに数パーティがとりついて登っている。

    私たちはどこを登ろうかと思案した結果、出だしの数ピッチが簡単そうな「錦秋カナトコ」ルートを登ることとなった。まずは私がリードで登ることになった。出だしはフレークをアンダーで登る。しかし、とりついてみると、フレークを使った登りは慣れてないことと、前日の同僚との山行の疲れもあり、苦戦する。おまけに大きくせり出したフレークの板はかすかに動き、挟んだカムを信用できないのでA0も危ない。じたばたしているうちに消耗してしまった。

    ここでMさんにトップで登ってもらい、私とFさんがセカンドで登ることとなった。

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    Mさんはそれほど苦もなく2p目まで登っていき、セカンドで私が最初に登り始める。何とかフレークを乗り越せたとところでよく見るとFさん側のザイルがからみ、それ以上登れない状態となってしまった。再び降りてザイルのからみを直し、再度フレークを登っていく。私が1p目登ったところで次にFさんが登る。上からよく見えなかったが、私同様フレークには苦戦しているようだったがクリアーできたようだ。再び私が登りだし2p目の手前が急なスラブとなっている。セカンドなので安心感はあるが、スラブも慣れていないせいでなかなか一歩が踏み出せない。なんとか登り切り、2p目の支点に到着する。Fさんはスラブにはそれほど苦労せずに登ってきた。この時点で時刻は14時となり下山する時間となったため、ここでクライミングを打ち切り、懸垂下降して下る。

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    荷物をまとめ下山を開始し、末端壁を下り樹林帯に入ると、下のキャンプ場あたりから救急車のサイレンの音が聞こえてきた。しばらくすると、ヘリコプターが飛んできて、上空をホバリングしながら拡声器で何度も「怪我人の居場所を合図してください」と呼びかけながら、過ぎ去っていった。(下山してからインターネットで検索してみると、周辺でクライマーが滑落して意識不明となったようである。)

    13:30くらいに駐車場の手前の広い芝生広場に着いて、後ろを振り返ると、広場周辺のツツジの向こう側に晴れ渡った空のもと十一面岩がそそり立ち、美しい風景が広がっていた。

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    その後、駐車場に着き荷物を整理し帰途に就いた。

    道迷いで少々時間をロスしてしまったが、その反面歩き回ったことで端牆山全体の様子が把握できた。気持ちのいいキャンプ場で数日間滞在して、クライミングすることができれば、贅沢この上ない環境だ。とはいえ、今の実力では登れるルートは少ない。クラックやスラブの技術を身につけ、ある程度登れる場所ができてから、再び訪れたいものである。

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    雪倉岳

    2017-05-05

    残雪時期に栂池高原スキー場~蓮華温泉~木地屋集落のクラシックルートには過去4回ほど行っている。蓮華温泉から木地屋集落に至るルートの途中のヤッホー平で振り返ると、周囲の山々からひときわ目立つ真っ白な山がある。それが雪倉岳だ。見るたびにあそこを滑ってみたいという思いに駆られていた。
    5年ほど前から毎年、雪倉岳山スキーの計画をたてるのだが、天候不順や日程の調整がつかず、行けずじまいであった。今シーズンは何がなんでもいく覚悟で、1か月ほど前からGWの5月3~7日のうち2泊3日で好天を狙って単独テント泊でいく計画をたてていた。同僚のW貫さんは5月3~5日なら同行できるということで、数日前の天気予報で好天になるのが確実そうだったので、5月3~5日で行くことになった。当初はGWの宿の混雑を嫌ってテント泊にする予定であったが、どうやらそれほど混んでないらしいので、蓮華温泉ロッジで宿泊することにした。

    5月3日

    朝8:00に中条のコンビニでW貫さんと合流し、車のデポ地点である木地屋集落に向かう。木地屋集落の奥の林道は除雪中であり除雪末端である標高850m地点に私の車をデポする。W貫さんの車で栂池高原スキー場に行き、ゴンドラとロープウェイを乗り継ぎ、自然園駅に到着する。

    11:20 1825m 自然園駅から天狗原に向かって登り始める。雲ひとつない快晴でお昼近くということもあり気温も上がり、シャツ1枚でも暑い。

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    12:10 2204m1時間弱で天狗原に到着し、ここで昼食で40分ほど休む。目の前の白馬乗鞍岳も白くて美しいが、雪倉岳はさらに気品があり、白馬乗鞍岳が「となりの町のお嬢さん」なら、雪倉岳は「深窓の令嬢」といったところだ。

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    天狗原の北面は、いいザラメ雪となり斜度25度くらいのちょうどいい斜面で滑っていて気持ちがいい。振子沢に入り、名前のとおり振子のように沢の斜面に右左に乗り移りながら滑っていく。

    13:30 1460m 雪に覆われた林道に着き少し歩くと、ベースとなる蓮華温泉ロッジに到着する。ルートをだいたい覚え効率よく滑れるせいか、昼食休憩の除くと実質1.5時間しかかかっていない。

    早速ロッジ受付を済まし、スキーを履いて100mほど上の露天風呂へ向かう。一番上の「薬師の湯」は女性がいたため遠慮して、下の「仙気の湯」に入る。源泉は少し熱いが、沢水をホースで引きこんで40℃くらいのちょうどいい湯温となり、のぼせることもなくいつまでも入っていられる。和歌山から来た若者と話しをしながら、1時間ほどのんびりと過ごす。

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    宿に戻り、W貫さんはビールや夕飯でワインを飲み、下戸の私はビールやワインを少々おすそ分けしてもらった。食事後はアルコールがまわり眠くなり、19時くらいから寝てしまった。

    5月4日

    今日はいよいよ雪倉岳だ。最低でも9時間はかかるようなので、5時台に出発するべく4:30に起き前日に作っておいてもらったおにぎりを食べる。天気はよく雲ひとつない。

    5:10 蓮華温泉を出発する。高度を一定に保ちながらいくつも谷を越えていく。1時間強で瀬戸川に下る斜面に到着し、一旦シールをはがし、瀬戸川まで滑り下りる。同じくらいに4名のパーティも瀬戸川を下ってきた。

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    6:50 1390m 瀬戸川を渡り切ったところでシールをつけて目の前の谷を登り始める。4名のパーティはここは慣れているようで、あまり迷わずどんどん先に進んでいく。

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    「雪倉の滝」がかかる谷は急であり途中で滝がでて割れているため、向かって左の広い谷を登り、標高1600mあたりで右の斜面を乗り越え雪倉の滝上部の谷に入っていく。

    30度くらいの斜面を登っていると斜面の途中で右足のシールがはがれてしまった。どうやら雪の汚れで粘着力が弱まったところに横向きの力が加わった際にさらに汚れた雪が入り込んでしまったようだ。粘着力が全くなくなってしまい、急斜面の途中では落ち着いて手入れ作業ができないので、板をザックにくくりつけて登る。軽めの板ではあるが、担ぐと肩と腰に重さがずっしりとかかってくる。

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    斜度が緩んだところでシールの汚れた糊面をタオルでよく拭き、糊面を何度も貼り合わせては剥がしを何度か繰り返しているとやっと粘着力が回復した。再びシールを貼り登り始める。

    9:00 1960mあたりで谷から広い稜線にでると、ここからずっと25~30度程度の真っ白な斜面が延々と続く。まっすぐ直登できなくはないが、同じ筋肉を絶えず使うことですぐに疲れてしまうので、ときおりジグザグを切りながら登っていく。

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    11:10 2611m 雪倉岳頂上に到着。今まで風は全く吹いていなかったのだが、頂上に着いた途端、南からの強烈な風に晒される。少し遅れているW貫さんを待つため、日のあたる岩陰で風をしのいでいると、W貫さんも到着し記念写真を撮る。

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    11:40 天気がいいのでもっとゆっくりしたかったが、強風で落ち着かないので滑り始める。少し下に下がると無風状態となり、気持ちも落ち着いてきた。遠くに妙高や高妻の山々を眺めながら、ターンのしやすいザラメ雪を気持ちよく滑っていく。一気に滑ってしまうのはもったいないので、途中で休み休み景色を楽しみながら滑っていく。

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    12:20 40分ほどで瀬戸川渡渉地点に到着し、瀬戸川渡渉点でシールを貼り、もと来た道をたどっていく。途中で、またシールがはがれたので回復処理をしたり、割れた沢で水分補給してくつろぐ。

    14:30 ロッジに到着後、内湯に入り、談話室でコーヒーを飲み、W貫さんと今日の雪倉岳での登りと滑りを振り返る。

    5月5日

    今日は木地屋まで下るだけだ。ロッジの情報によると、弥兵衛川のスノーブリッジはもう危ういらしいので、ヤッホー平へのショートカットはできず、長い林道を延々と歩くしかない。

    6:00 ロッジを出発する。1時間ほどでヤッホー平に着いて振り返ると、昨日滑降した雪倉岳が私たちを見送ってくれる。ここに来るまで雪倉岳の全容を眺めることができなかったので、自分たちの滑ったルートをたどり、昨日の楽しい思い出に浸る。

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    ヤッホー平、栂平を過ぎ、きつい登り返しの角小屋峠を越える。ここからは複雑な地形ではあるが、赤テープが随所に巻かれているので、迷うことはない。

    10:00 一昨日車をデポした地点に到着し、周辺でふきのとうを採る。帰りには猫鼻の湯に立ち寄り、帰途についた。

    好天、温泉、ザラメ雪と快適な3日間を過ごすことができた。雪倉岳は滑りはわずか40分ほどであり、登りには5時間と8倍近い時間を費やしている。しかし、経験の価値はその時間の長短ではなく、その経験の内容である。この素晴らしい斜面での滑降の凝縮された経験は、短い時間であっても価値ある経験としてずっと忘れることはないだろう。

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    白馬鑓温泉

    2017-04-30

    グリーンシーズンには白馬三山縦走での憩いの場となる白馬鑓温泉は、冬~夏前までは営業しておらず、雪崩倒壊を避けるため、小屋は解体されている。温泉はそのままかけ流しのためいつでも入れる状態だ。GW直前に猿倉林道が開通されるのに合わせて、山友のK津さん、H山さん、T島さんの4人で行くこととなった。

    朝7:30に猿倉駐車場に着いてみると、GWの休みの途切れ目のせい、もしくは、数日前の白馬大雪渓での雪崩事故のせいで、駐車場は比較的空いていた。

    8:00 猿倉駐車場からの登山口には登山届のテントが張られ、係員さんが受付を行っている。白馬鑓温泉に行く旨を伝えると、「鑓温泉はお湯が漏れて無いらしいと聞いたよ」と言われたが、どうやらデマらしいという噂も聞いていたので、ダメモトで行くことにした。

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    今年は残雪が豊富なので、猿倉駐車場から雪が途切れることがないため、曲がりくねった林道や登山道はショートカットして効率よく登っていくことができる。

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    標高1400mあたりの開けた台地に出ると、白馬三山からの稜線から強い風が吹き降ろしてくる。ときおりバランスを崩しそうになるほどの風だ。

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    10:00 1820m 大日方のコルに到着すると、さらに強い風が吹いている。鑓温泉方面を見ると、20名くらい鑓温泉への斜面にとりついており、すでに湯船がある場所に数名いるようだが、入浴できているのかどうか遠くすぎて分からない。

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    ゆっくり景色を眺めて休憩をしていられないので、早々に滑走準備をして、杓子沢への斜面に飛び込む。最初の数ターンは気持ちよく滑ったところで、急にストップスノーになり、バランスを崩しそうになってしまう。どうやら雪の汚れた部分がストップスノーになっているようだ。

    できるだけ白い雪を拾いながら、杓子沢まで滑り降りる。谷にまでは強風は吹いてこないようなので。雪崩が起きても巻き込まれない場所で休憩する。

    鑓温泉への登りは、例年は風が吹かず暑い思いをするのだが、今日は涼し風が吹いて気分よく登っていける。

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    11:30 2015m 鑓温泉に到着してみると、湯船の周囲は3m以上の残雪があり、お湯があるのかどうかよく見えない。60cm幅のステップが掘られており、そこから湯船を覗くと、しっかりお湯があり10名ほどが入浴している。来た甲斐があったというものだ。

    早速、湯船の端に降り、水着に着替えて入浴だ。相変わらず湯の温度は高くゆっくりと入っていられない。ときおりスコップで周囲の雪を放り込んで湯温を下げるが、数分もするともとの高温となってしまう。しかし、今日は風が少し吹き、天気もいいので、湯船に入ったり出たりすることで、暑くもなく寒くもなくちょうどいいくらいだ。

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    入浴した後は、昼食をとり景色を眺めてのんびり過ごす。ここにいると、あまりの気持ちよさに時間が経つのを忘れてしまう。

    13:00 いつまでもここでのんびりとしていたいが、そんなわけにもいかないので、滑降開始である。多くのスキーヤーが滑り、ストップスノーの原因である表面の汚れた雪がはぎとられ、そこそこ快適な滑りができる雪だ。

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    杓子沢に到着し、大日方のコルに登り返す。大日方のコル直下の広い急な斜面は40度近くあるのだが、気持ちいいザラメ雪となり、斜度は全く気にならない。そのまま樹林帯に入り、ツリーランを楽しむ。

    14:40 猿倉の駐車場に到着。

    9年前に初めて来て以来、毎年のように訪れ、今回で8回目くらいであろうか。雪崩の危険性の高い春山でありそれなりの緊張感の中、近所の日帰り温泉施設に行くような気軽さが相交じり、普通の山スキーとは異なる楽しさがあり、飽きることがない。きっとまた来シーズンも来ることになるだろう。

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